東京23区で8月中に熱中症で死亡した人が193人(速報値)で、月別で過去最多だった。統計が残る2007年以降で最も多かった10年7月の137人を56人上回った。東京都監察医務院への取材でわかった。気温が高い日が続いており、同院はエアコンの効果的な使用を呼びかけている。
死亡した人を世代別で見ると、80代69人、70代68人、60代22人、90代以上21人の順で多く、60代以上が全体の93・3%を占めた。大半は独居だったという。
発見場所は「屋内」が182人で、全体の94・3%。うち163人(89・6%)は、発見された部屋にエアコンがないか、使っていなかった。生存時、エアコンの利用を嫌がっていた人もいた。またエアコンを使っていたものの、温風が出ていたケースもあったという。
同院は屋内の熱中症対策として、こまめな水分補給▽エアコンの利用▽エアコンのない部屋への冷気の循環――などを挙げる。一人暮らしのお年寄りは、自分の体調不良に気づけないことがあるため、親族や近所の人が定期的に連絡を取ったり、訪ねたりすることが大切だという。(高島曜介)
熱中症を防ぐために
・涼しい服を心がけ、屋外では日傘や帽子を利用
・のどが渇く前にこまめに水分を補給(屋内でも)。激しい運動や作業をした時、たくさん汗をかいた時は塩分も
・就寝前に水分を補給
・エアコンの効果的な使用
・エアコンがない部屋にも冷気を循環
・エアコンが正常に作動するか普段から確認
・頭痛や倦怠(けんたい)感があれば医療機関を受診。緊急時はためらわずに救急車を要請
※東京都監察医務院や厚生労働省による
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル